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[2014]家庭犬における人間の合図に対する反応に及ぼす訓練と慣れの効果

Effect of training and familiarity on responsiveness to human cues in domestic dogs

書誌情報Cunningham, C.L., Ramos, M.F. Effect of training and familiarity on responsiveness to human cues in domestic dogs (Canis familiaris). Anim Cogn 17, 805–814 (2014). https://doi.org/10.1007/s10071-013-0714-z

Notice

表題の論文を日本語訳してみました。翻訳アプリにかけた日本語訳を英文に照らして修正していますが、表記のゆれや訳の間違いがあるかもしれません。正確に内容を知りたい方は、原文をご覧ください

要旨

家畜であるイヌ(Canis familiaris)は、人間が与えた合図に従うという進化的な能力を持っているように思われ、合図に従うタスクにおいて野生の祖先であるオオカミ(Canis lupus)をしばしば凌駕する。

しかし、イヌの社会認知能力は、家畜化だけが原因ではなく先天的な経験も関与している可能性がある。

本研究では、無補強物体選択法を用いて、集中的な訓練が手がかりを追う行動に与える影響を評価した。

また、基礎的な訓練しか受けていないペットの犬や、基本的な命令に全く従わない、あるいは初歩的なことしかできない動物保護施設に暮らす犬の反応と、競争的なレベルの訓練を受けた犬の反応を比較した。

3種類の合図を親しい人間と親しくない人間から提示される合図追従課題を用いて、各訓練群における合図追従回数を記録した。

すべての犬がジェスチャーや視線だけの合図よりもジェスチャーと頭や視線の動きが一致した合図の方がより従いやすいと感じた

また、保護犬では合図を与える側が馴染みのある人かそうでないかは合図を追う回数に大きな影響を及ぼし、馴染みのない合図を与える側では他のグループと同程度の成績であった。

予想に反して訓練の程度は手がかりを追う課題のパフォーマンスを向上させなかった

この結果は、人間が与える社会的手がかりを利用するための進化的適応が存在することを支持するものであり、手がかりを与える側への慣れによってその適応が増強される可能性がある。

しかし、集中訓練で経験するような共同活動の増加は人間が与える合図を追う精度を向上させないようである。

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