When facing an unfamiliar person, pet dogs present social referencing based on their owners’ direction of movement alone
書誌情報Charlotte Duranton, Thierry Bedossa, Florence Gaunet, Animal Behaviour, Volume 113, 2016, Pages 147-156, ISSN 0003-3472, https://doi.org/10.1016/j.anbehav.2016.01.004.
表題の論文を日本語訳してみました。翻訳アプリにかけた日本語訳を英文に照らして修正していますが、表記のゆれや訳の間違いがあるかもしれません。正確に内容を知りたい方は、原文をご覧ください
Abstract:
犬(Canis familiaris)は見慣れないものを前にすると、自分の反応を飼い主の反応に合わせるという社会的参照(social referencing)を行うことがある。
しかし、幼児と同じように、見知らぬ人と対面したとき、そのような反応を示すかどうかについては、まだ研究されていない。
そこで、72頭の飼い犬(シェパード36頭、モロサス36頭)を対象に、中立的な立場で近づいてきた見知らぬ人物と対峙したときの反応について実験を行った。
犬たちの飼い主は、見知らぬ人に対して「じっとしている」「近づく」「退く」の3つの行動をとるよう指示された。犬は実験者と飼い主の間で参照視と視線交互移動を行った。
後退条件では、接近条件と比較して犬は見知らぬ人を見るのが早く、見知らぬ人と最初に接触するまでの時間が大幅に長くなった。
また、後退条件では他の条件と比較して、犬は飼い主とより多く交流していた。
また、性別は犬の行動に影響を与え、オスはメスに比べて飼い主の方を向いて情報を得ることが少なかった。
また、犬種も犬の反応に影響を与え、シェパード犬よりもモロゾフ犬の方がより独立した行動をとることが分かった。
本研究は、飼い犬が見知らぬ人を含むアプローチパラダイムにおいて、飼い主との社会的参照関係を用いることを示すものである。
この結果は、犬が飼い主と接する場合と、人間の幼児が養育者と接する場合に同様のプロセスがあることを示す証拠であり、公共の場での犬の反応を管理する新しい方法を示唆している。