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[2007]犬の注意欠陥と活動性を測定する:ヒトのADHD質問票の新しい応用と検証

Measuring attention deficit and activity in dogs: A new application and validation of a human ADHD questionnaire

書誌情報Judit Vas, József Topál, Éva Péch, and Ádám Miklósi, Applied Animal Behaviour Science, Volume 103, Issues 1–2, March 2007, Pages 105-117. https://doi.org/10.1016/j.applanim.2006.03.017

Notice

表題の論文を日本語訳してみました。翻訳アプリにかけた日本語訳を英文に照らして修正していますが、表記のゆれや訳の間違いがあるかもしれません。正確に内容を知りたい方は、原文をご覧ください。

要旨

最近、犬が人間の行動の進化的な発生と制御機構を研究するための有効なモデルとなり得るという証拠が見つかっている。

このアプローチは、注意欠陥多動性障害(ADHD)のような人間の行動障害の根底にあるメカニズムを研究したい場合に特に重要である。

質問票を用いる方法は、人間の行動研究のこの分野では広く受け入れられている方法であり、最近では犬に関する観察も並行して報告されている(例:気質特性の質問票分析)。

しかし、この分野の研究では、動物用質問票の心理測定学的特性(妥当性)がほとんど検討されていないため、この方法の信頼性が不確かなままであることが問題であった。

本論文では、小児のADHD関連問題の評価に用いられている有効な質問票をもとに、愛犬の注意力、衝動性、運動活性を評価する13項目の質問票を開発した。

本研究の目的は、愛犬の注意力と活動性・衝動性に関連した行動問題を研究する新しい方法を導入するために、質問票の信頼性と妥当性を測定することである。

研究対象は、多種多様な犬種(69頭)の愛玩犬の飼い主(N=220)で、犬の年齢、性別、訓練・資格のバランスが取れたサンプルを用いた。

質問票の内部妥当性と外部妥当性が分析され、質問票の項目からあらかじめ設定された2つの下位尺度(不注意と活動性-衝動性)の関連性が支持される結果となった。

年齢、性別、トレーニングの違いによる不注意と活動性衝動性のスコアを比較したところ、犬の注意力には年齢とトレーニングが有意に影響することが示された。

この結果から、人間のADHD質問票(dog-ADHD評価尺度)を応用することは、犬の注意力と活動性を評価する方法として、信頼性と妥当性があることが示唆された。

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