Study 3 向けられた凝視の効果:The Effect of Directed Gaze
本調査は「クレバー・ハンス効果」と呼ばれる、飼い主がイヌを誘導する際に他人には気づかれないような小さな手がかりを与えるかどうかを検討したものである。
そこで、ここではイヌが視線という大きな手がかりに従うかどうかを検証した。
もしそうでなければ、イヌは小さな手がかりにも従わない可能性が高いからである。
われわれは、物体を要求している最中の飼い主に、右または左に配置された物体(両位置に同一の鍋を配置)のいずれかを直接見てもらい、イヌの注視行動が飼い主の注視方向と関連するかどうかを調査した。
対象者:Subjects
このテストには、これまでの研究の手順を知らない11頭の犬が参加した(平均年齢=4.95歳、SD=3.15歳、男性54.5%、去勢済み27.3%、雑種犬3頭、ジャーマンシェパード2頭、ラブラドールレトリーバー、パーソンラッセルテリア、ヨークシャーテリア、シェルティ、ウィペット、ウェルシュコーギーペンブローク各1頭)。
トレーニング:Training
イヌは透明でない茶色の植木鉢のなかからイヌのおもちゃを探して取ってくるように訓練された。
飼い主は椅子に座り、イヌには目の前に立つ実験者の方を向いて座ってもらった。
実験者はイヌの座る床の前に鉢を置き、イヌにおもちゃを見せたあと鉢のなかに入れた。
飼い主はそのおもちゃをイヌにもってこさせて実験者にそのおもちゃを返した。
トレーニング トライアルは 2 回繰り返され、植木鉢はトライアル 1 では開始位置から 1 メートル、トライアル 2 では 2 メートルのところに置かれた。
物を隠す:Object Hiding
実験者は飼い主に犬にリードをつけ、椅子に座らせた。
そして、犬がこの手順を目撃できないように、犬に背を向けておもちゃをポケットに入れた。
次に、同じ空の鉢を2つ、犬の手の届かない2m離れた窓辺に置き、研究2と同様にスタート地点に戻った。
物体を要求する:Object Requesting
この段階は、飼い主がテストフェーズのあいだ植木鉢の1つをずっとみるように指示されていたことを除けば調査2 と似ていた。 指示は飼い主間でバランスをとっていた。
結果と考察:Results and Discussion
物体要求テストにおいては、イヌは飼い主が見ているほうの植木鉢をより多く、またはより少なく見ていた(飼い主が見ている植木鉢:11.67 ± 2.63 vs 飼い主が見ていない植木鉢:17.23 ± 4.05%, 平均 ± SE; paired t = 1.039, p = 0.323)。
テスト中の飼い主の視線は、イヌの視線の選択に影響しなかった。
考察の概略:General Discussion
本研究では、イヌにとって魅力的な物体(おもちゃ)と飼い主が好む物体(ブレスレット)があるとき、イヌはどのように2つの異なる物体を選択するかを調べることを目的とした。
調査1では、イヌは飼い主にとってより魅力的なものをより頻繁に取ってくることはないということがわかった。
しかし、調査2において対象物が手の届かない位置にあって、イヌと飼い主の好みが一致したばあい、イヌが見る方向はより強く自分の好みに一致した。
本調査2における条件と対象との交互作用、および非マッチング条件ではより好ましくないブレスレットへの視線が増加した傾向から、視線時間は飼い主の「好き・嫌い」の表現に影響されるが、対象要求段階における飼い主の潜在的視線方向には影響されないと考えられる。
理論的にはヒトの感情表現も、中間的な認知処理なしに直接的に注意の変調を誘導するサイン刺激として機能する可能性があるため、この影響が推論され共有された表象の結果であることは確かではない(メルツォフの「私のように」仮説のように; Meltzoff, 2005)。
感情の合図はイヌの注意を誘導する局所的な自発的動機を高める要素として作用する可能性がある(Arbilly and Laland, 2014)。
しかし、(飼い主による)選好デモンストレーションと視線反応の測定が同時でなかったという事実は、局所増強に見られるような方法で対象が増強されたことを論証するものである。
実際、社会的参照は、即時のデモンストレーションを超えて持続する効果に以前から関連しており(Fugazza et al.、2018)、したがって、基礎となるプロセスはより複雑と見なされなければならない。
また、単純な刺激強調を除外する理由として、両方の対象に対して表情が示されたため、参照する表情の価に感応するメカニズムがあることが挙げられる。
また、イヌは感情表現と中立表現よりも、強く対立する感情表現を区別することに長けているようにみえることから(Nagasawa et al., 2011)、調査3において中立注視だけがイヌの視線方向に影響を与えなかったということが重要である。
また、14カ月と18カ月の子どもを対象としたRepacholi and Gopnik (1997)の研究との比較は、子どもの他者の欲求の理解を提供行動によって操作しているため、やや限定的である。
ここで提案されているようにイヌでは「モッテコイ」が機能的に同等であると仮定することができるが、これは行動の根底にある認知に関するさらなる仮定(たとえば、イヌは「モッテコイ」をヒトに物を提供する行為と理解している)に依存するものである。
調査2において、飼い主の好みの影響を受けたのは見る行動のみであったことから、認知制御の重要な側面である反応抑制(Macphail, 1970; Hulbert and Anderson, 2008; Bari and Robbins, 2013)が、調査1においてイヌ自身の好みを上書きするほど強くなかった可能性がある。
イヌの行動抑制能力は家畜化の特徴と考えられているが (Hare and Tomasello, 2005; Hare et al., 2012)、この能力に関するオオカミとのちがいはタスクの種類によって異なり (Marshall-Pescini et al., 2015; Brucks et al., 2019)、個々の動物間で幅広い変動を示す (Brucks et al., 2017)。
社会的認知や行動との関係も一様ではなく、協力(Dale et al., 2020)よりも不公平嫌悪(Brucks et al., 2017)の発現に関連があるようにみえる。
可能性のある説明としての抑制の弱さは、今後より直接的に実証される必要があるだろう。
興味深いことに、閉ざされた空間から飼い主を解放することは、(モッテコイよりも)飼い主の表す感情と一致しやすい能動的な行動である(Carballo et al.、2020;Van Bourg et al.、2020)。
また、犬の好みと視線方向が飼い主の表情と一致する場合、より強く一致することが観察されたことから、上記の研究において、犬の飼い主に近づきたい気持ち(Topál et al.、1998)と飼い主の苦痛の表出は、互いに高め合っている可能性が示唆された。
また、本研究で犬の取り込み行動が乳児の提供行動(Repacholi and Gopnik, 1997)と一致しない理由は、人間特有の向社会的発達の初期段階に関係していると考えられる。
ヒトの乳幼児は、利他的な共有や公平性への配慮の兆候を驚くほど早い時期(15カ月頃;Schmidt and Sommerville, 2011)から示す。
ヒトの初期の利他主義の範囲と限界はまだ議論中であるが(Wynn et al., 2018)、ヒトの子どもでは若いチンパンジーよりも利他性が強いようである(Warneken and Tomasello, 2009)。
したがって、他人の好みに応えるいくつかの形態は、ヒトに特有のものである可能性がある。
さらに、イヌはオオカミよりも競争的であり、向社会的ではないことを示唆する研究もあり(Range and Virányi, 2014; Dale et al., 2017, 2019)、これは他者の内部状態から影響を受ける潜在能力が、測定可能な行動でどのように表現されるかということと相互作用するかもしれない。
後者は模倣について実証されており(Range and Virányi, 2014)、オオカミと比較してイヌでは精度が低くなっている。
また、飼い主の嗜好に対する感受性を「モッテコイ」で操作することのもう一つの限界は、子ども(Kee, 2020)やイヌ(Topál et al, 2006)の模倣について議論されている、自己・他者の表現の身体的性質に関わる。
この枠組みでは「モッテコイ」が(ヒトとイヌのあいだで)共有された運動レパートリーの一部ではないことが重要であり、それゆえ、その行動自体がより自己中心的な反応を引き起こすかもしれない。
さいごに、「モッテコイ」課題での犬の反応(ルッキング課題との比較)については、完全に非社会的な説明を適用することができる。
このアプローチは、すでに示唆されている抑制制御の役割(Macphail, 1970; Hulbert and Anderson, 2008; Bari and Robbins, 2013)と一致するが、(共有)内部状態についての仮定はない。
このシナリオでは、好ましい物体を手に入れることによる報酬は、所有者が満足することによる期待報酬と競合している。
手の届くところにある好みの対象はアフォーダンスを示す可能性が高く(Gibson, 1977)、手の届かないところにある対象は潜在的に役に立つ人間に注意を向ける必要性を示す(たとえば、Miklósi et al, 2000を参照)。
このような解釈を、社会的認知や(共有)表象に依存する仮説から切り離すことは、今後の同じ方向への取り組みの指針となるはずである。
イヌの研究で重要な点は、ヒトの子ども(Doan et al., 2015)と同様に、相反する選好を示す2人の他者を観察することが、動物が自分の選好に関わるミスマッチに反応する方法に影響を与えるかどうかということである。
今後コントロールすべき他の要因として、イヌの飼育期間が挙げられる。
これは飼い主が表現する感情に対する動物の感受性に影響を与えることが示されているためである。(Katayama et al.)
全体として、飼い主の好みがイヌの見る方向に影響を与えたと結論付けることができ、これまでに報告されている社会的参照(Prato-Previde et al, 2008; Turcsán et al, 2015; Fugazza et al, 2018)の事例と整合する。
この結果の新規性は、観察者(イヌ)と被観察者(飼い主)のあいだで対照的な嗜好を用いたことである。
Turcsánら(2015)の研究では、イヌの「モッテコイ」行動は飼い主の好みに影響されていたが、イヌ自身の好みは役割を果たさなかった(同一の物体を使用し、飼い主の好みが唯一の違いであったため)。
Pongráczら(2013)は、イヌが隠れた餌を選択する際に飼い主の影響を受けるということを示したが、のちの試行でパフォーマンスがイヌの好みに傾いたことから、イヌが好みの餌の位置を知っていることが役割を果たしたかもしれない。
さらに、この研究において合図は、感情表現(好き)ではなく、遠くへの指差し合図であった。
Prato-Prevideら(2008)は、イヌが餌の量を選択する際に好みの表現を用いて影響を与えたが、ヒトが見せる「好み」の表現は、イヌの「好み」ではなくイヌ自身の量判断の確かさと競合していた。
したがって、本研究は、自己と他者の相反する選好がイヌの行動にどのように影響するかを直接的に扱った、我々の知る限り初めての研究であり、その結果、イヌたちのの知覚、社会的認知、感情表現に対する感受性についての理解が深まったと言える。
ただし、将来の研究では、競合する社会的および非社会的な期待報酬が、観察された行動の社会的解釈について潜在的な別の説明を提示する可能性があるかどうかを検討する必要がある。
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Keywords:
Emotion recognition, Desire state attribution, Object choice test, Disgust, Dog