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[2017]家庭犬における注意欠陥多動性障害(ADHD)様行動の相関:質問紙ベースの研究による最初の結果

Correlates of Attention Deficit Hyperactivity Disorder (ADHD)-Like Behavior in Domestic Dogs: First Results from a Questionnaire-Based Study

書誌情報Hoppe N, Bininda-Emonds ORP, Gansloßer U. Correlates of attention deficit hyperactivity disorder (ADHD)-like behavior in domestic dogs: First results from a questionnaire-based
study. Vet Med Open J. 2017; 2(3): 95-131. http://dx.doi.org/10.17140/VMOJ-2-122

ABSTRACT

Introduction

行動障害である注意欠陥多動性障害(ADHD)は、典型的にはヒトの子供に関連するものであるが、最近、イヌにおけるその臨床症状が調査され、特定の遺伝子変異体(たとえばDRD4遺伝子)がその発現に寄与することが示されている。

Objectives

本研究はイヌのADHD様行動の潜在的な非遺伝子的相関関係を調べることで、その原因の理解を深めることを目的としたものである。

Methods

とくに2つのドッグスクールと1つのドッグクラブの犬の飼い主(n=61)に行った多様なアンケート(ADHD・既往歴・性格と面接)、および以前に構築した未発表の既存データベース(n=60)を用いて、異なる犬種・グループ間でのADHD様行動症状の有無をさまざまな社会・身体要因に関して検討した。

Results

その結果すべての犬種において、さまざまな社会的要因(例:愛情行動の程度、 社会的要因(愛情行動、社会的接触回数、分離期間など)や身体的要因(子犬の頃の遊び時間、散歩の頻度や時間、去勢の可能性など)は、すべての犬種でADHD様行動と関連しており、秋田犬は他の犬種に比べて明らかに穏やかであった。

Conclusion

それでも本研究で報告された結果は、この特性に関する既存の遺伝子情報と組み合わせることで、イヌにおけるADHD様行動の発現は、ヒトにおける多くの神経疾患の場合と同様に、古典的な遺伝子-環境相互作用に依存すると思われることを示した。

この結論は、遺伝的にこの状態になりやすい動物において、ADHD様症状の発現の可能性を最小化しうる社会的・物理的状況を改善するための提言を行うことに向けられた。